【出典】この記事は「日刊SPA!」に掲載された記事を転載したものです。
元記事はこちら:吉本芸人、実は“年商5000万円超”の売れっ子探偵だった「芸能界からの依頼も…めっちゃあります(笑)」|日刊SPA!
お笑いコンビ「オオカミ少年」の片岡正徳さん(45歳・@wolfboykataoka)は、NSC在学中の25歳当時、養成所生として初の「M-1グランプリ2003」準決勝に進出。数々のお笑い番組に出演し、学生服姿で時事ネタを応援団風に斬っていくスタイルが注目を集めた。

そして12年前から、片岡さんは副業として探偵業をスタート。もっとも稼いだ年の売上は5000万円を超えるという“売れっ子探偵”だ。片岡さんが副業を始めたきっかけと、なぜ探偵だったのか、また稼ぐ仕事術に迫った。
子供の頃から「探偵業」に興味はあった

――副業を始めたきっかけを教えてください。
片岡正徳(以下、片岡):僕は子供の頃から探偵作品が好きで、探偵という職業に興味はあったんです。今からかれこれ12年ほど前のこと。ある日、原宿を歩いていたら、探偵学校の看板が目に入って、吸い寄せられるようにその足で話を聞きに行きました。
――前提として、何か副業を考えていたんですか?
片岡:その頃、僕は芸人と並行して、テレビ番組の放送作家もしていたんです。僕はゲスいゴシップを含め、誰と誰が実は仲いいとか悪いとか、裏情報のような話が大好物。親しいディレクターさんにそういう話をしていたら、爆笑問題さんのドッキリ番組(TBS『爆問パニックフェイス!』)の放送作家をしてくれないかと言われました。
常に不安で、危機感があった20代

片岡:ドッキリをしかける時って、違和感を抱かれたらダメでしょう? だから、この人に対しては、こういうシチュエーションは自然だけど、これはちょっとおかしい気がする……といった微調整役で入ってほしいというわけです。それ以来、いつの間にか放送作家として月40万円稼げるようになっていました。
そういう生活のなかで、ふと「テレビに出る」って何なんだろうと考えるようになったのは確かですね。自分のコミュニケーション力と情報術を活かしたら、何かテレビに出る以外の仕事になるのかなと、漠然とした副業のイメージはあったかもしれません。
――なるほど。では、金銭的な逼迫や焦りから探偵業を始めたというわけでもない?
片岡:そうですね。とはいえ、常に不安で、危機感はありましたよ。芸人として、お金はある程度いただいていたけれど、40歳、50歳になって ずっと同じような生活ができるとは思っていない。頭の片隅では、〈他人と違うことをやっておいた方が差別化に繋がる〉という意識はありました。
不倫疑惑から逃げられる“とある一言”
――探偵学校には、どのくらいの期間通ったんですか? 生徒数は?
片岡:仕事をしながらだったので、1年ぐらいかかりました。生徒数は、僕が通っていた時期で、20人前後だったかな。
――学校では何を学ぶんですか?
片岡:実践と座学があって、実践では仕込まれた盗聴器を探すとか、尾行や張り込みの方法、注意点など。座学では、法務関係やさまざまな調査方法といった探偵に必要な知識の他 、ケーススタディも多数学びます。
例えば、ある既婚男性が愛人とラブホテルから出てきた瞬間の写真を撮られ、それを妻から突きつけられた。普通なら、慰謝料を請求されて終わりです。
でも、男性が“とある一言”を言えば、逃げられる。「一緒にいた女性が体調を悪くしたから、心配になって寝かせた」と言われてしまったら、妻にそれを否定する術はないんです。だから、別々の日に、3回出てくるところを撮ったほうが、相手を追い込める。そういったコツなんかを勉強します。
探偵学校に通えば、探偵になれるのか

――学校に通ったら、探偵になれるものなのでしょうか。
片岡:どんな職業もそうですが、待っているだけでは仕事は来ない。独立開業は、また別の能力が必要だとは思います。
芸人の「コミュニケーション力」が役立った
片岡:探偵は経営者気質と、職人肌気質に分かれるんですよね。職人肌の探偵のなかには、腕はあるけど、仕事がない、という人もいるんです。仕事を取りに行くのは苦手というタイプですね。あるいは、ちょっと癖があって、直でやり取りできる人がなかなかいなかったりする。
一方で、僕はコミュニケーションを武器に、仕事を取ることができる。かつ、そういった職人肌の人と直接繋がって、「最低いくらだったらやってくれますか?」と“ぶっちゃけ”な単価を把握しやすい。密な関係値を築くことで、相場の半分の料金で仕事を請け負えるスキームが出来上がりました。
また大手の探偵社さんだと、サラリーマンなので、腕がある人こそ独立するという事情もあります。変な話、会社には偏差値45~55ぐらいの人が残りがちで、偏差値70の人は“外”にいる。僕は、癖もあるけど、腕のよい偏差値70の人と仲良くなれるんです。それはやっぱり、芸人の突破力やコミュニケーション力が役立っているかもしれません。
事前に「伝えること」でトラブルを軽減

――人にお願いするときのコツは、何かありますか?
片岡:先に、相手にとってのメリットを伝えることです。なんなら、僕はチームを組む相手に“(お金を)前払い”をすることもあります。これは、逆に“お願いされる時”も有効です。浮気調査の依頼で、疑惑対象がシロだった場合に、「そんなはずはない」と文句を言う人も一定数いるんです。
そういうケースのために、先に「本当にシロの場合もある」ということは伝えておく。ただし、探偵に頼めば、自力で把握できないことを細かく確認できるというメリットがあることをきちんと示す。そうすることで、トラブルも軽減できます。
開業して半年で、1000万円売り上げた
――開業当初は、どのぐらいの売上だったか覚えていますか?
片岡:最初の半年ぐらいで、すぐに1000万円は超えました。
――半年で!? すごい。何件の案件数で、そのぐらいいくんですか。
片岡:調査期間はある程度必要なので、請け負うのは1週間に1件ぐらい。1か月に4件、半年で24件ほどの計算で1000万円といった感じです。
――1件あたり40万~50万円という計算に。では、これまでの最大年商は?
片岡:MAXは、5000万~6000万円です。でも本気でやったら、もっといくとは思いますね。今のところ、吉本興業の看板もあるので、ちょっと危ないなというものは避けますから。
芸能界からの依頼が、“探偵社随一”なワケ

――ただ、吉本興業所属だからこそ、芸能界からの依頼も……?
片岡:めちゃくちゃあります(笑)。やはり芸能界にいる人は、変に街中の探偵に頼むより、同じ世界にいるヤツのほうが信頼できる、といった雰囲気がある。実際、全然知らないマネージャーさんから電話がかかってきたりしますよ。
僕は、まずじっくりと話を聞かせてもらう。そのうえで、最低限何を調べるとよいか、その場合いくら、という提案をします。
依頼してくれた人が納得、満足してくれれば、もう一回お願いしてくれたり、友達を紹介してくれたりする。そうやって、どんどん芸能界の中でも依頼が広がっているイメージです。探偵社のなかでは、芸能界案件は最多だと自負しています。
仕事が仕事を呼ぶ、2つのポイント
――改めて、仕事が仕事を呼ぶ秘訣は何でしょう。
片岡:結果を出している、ということに尽きると思います。それには、前述【1】腕のいい探偵と直接繋がっていること、【2】ムダを省いた提案で、業界最安値が可能なことの2点がポイントですね。
――最後に。副業をすることでメリット・デメリットがあれば教えてください。
片岡:実は、デメリットがひとつあるんですよ! 先輩芸人からもたまに依頼がくるんですけど、変に指示を出してくるんですよね。
――どういうことですか?
片岡:「嫁が愛人と恵比寿で会うことまではわかっている。だから、恵比寿から尾行してくれればいい」みたいに、上から口調。こちらが探偵として、「絶対家から尾行したほうがいい」と言っても、料金をケチりたいのか、なかなか聞かない(笑)。
家の前から尾行したらまんまとホテルに

――セコい(笑)。
片岡:なんとか説得して、家の前から尾行させてもらったら、恵比寿に着く前に落ち合って、まんまとホテルに入ったということがありました。調査に関してマウントをとらないでほしいんですよね(笑)。そこは芸歴、関係ないですから。
――では、メリットは?
片岡:まず、なかなか出会えないような人が相談してくれること。また少しでもその人の力になることができて、それ以降懇意にしてくれるというのは、ありがたいなと思いますね。
<取材・文/吉河未布 撮影/山田耕司>
【オオカミ少年・片岡正徳】
1978年4月13日生。愛媛県出身。趣味はパワースポット巡り/海外・国内旅行/アベンジャーズ/ゴルフ。特技はゴシップ披露/パワースポットを語る/都市伝説を語る/片岡探偵事務所経営/世渡り力/慶應義塾大学大学院システム・デザインマネジメント修士課程修了。YouTube「片岡探偵事務所」も更新中
Twitter:@wolfboykataoka